マリンの日記【素数大富豪】

最強の素数大富豪プレイヤーを目指す、ある競技素数大富豪プレイヤーの素数探索記。

overKJQJとカードカウンティング

こんばんは、マリンです!
この記事は素数大富豪アドベントカレンダー2020https://adventar.org/calendars/498720日目の記事です。昨日は二世さんの「今だからできる素数大富豪」http://nisei.hatenablog.com/entry/567QK
でした。コロナ休校中に始めた私だから思うのかもしれませんが、こういうご時世だからこそ、強くなろうと思えばどんどん強くなれるような気がしています。素数大富豪オンラインでお待ちしてますよ!(そういえば私普通にトランプ使って素数大富豪したことあったかな…?)

さて、今日は満を持して私の大好きなoverKJQJ*1の話をしていきます!
皆様、せっかく出したオバケをKKKQ(などのより大きいオバケ)で返されたことはありませんか?私はありますし、逆に返したこともあります。
今や上位の間ではオバケは常識。ですから、オバケをベースに組み切る場合には、自分の持っているオバケはどのくらい強いのか、その指標を持っておくことが大切です。
そこで出てくるのがカードカウンティングの概念。合成数のカウンティングは総じて難しいですが、overKJQJを愛するプレーヤー*2のために色々考えてみました!

カウンティング不要の形

カードカウンティングを考える前に、絶対に返されない形を確認しておきましょう。
下のオバケ表をご覧下さい。
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赤字のオバケは手札に揃っている時点で絶対に返すことができません。*3
ただし、KKKQは相手が先に出してしまうことで止めることができるので注意が必要です。

今回の記事は主に緑字と青字のオバケを切り札にする場合を主軸にしています。
色々考えましたが、黒字と黄字は絶対に返せない形を目指すには難易度が高いです。終盤で相手が疲弊した時や相手の手札枚数が少ない時、相手が覚えているオバケが少ないと想定している時を除いては積極的に使いたい形ではありません。

余談ですが、オバケを覚え始めようと思ったらまずは赤字と緑字を覚えることをオススメします。
赤字のうちKKKJとKKKKはK+Xで4枚使うため使用機会に恵まれませんが、残りの6つは揃いやすさ・使いやすさ・強さの全てが及第点以上なので、見つけたら生かして組み切ることを考えてみましょう!
いくつかX=0を使う形が含まれていますが、必要な絵札が少し多くなる以外は意外と困りません。革命下の切り札にX=0を使うのと同じで、切り札にはジョーカーを惜しまないようにしましょう。

相手の手札枚数と安全圏

カウンティングから少し話が逸れますが、相手の手札の枚数とオバケの所持の可能性を考えてみます。本当なら数学的な確率を交えて論じたいのですが、私にはできそうもないので体感で話します。

overKJQJは下は10枚、上は16枚で出すことができます*4が、大半のオバケの使用枚数は12~14枚に集中しています。
このことはKJQJを出す時に意識することが多いと思いますが、当然オバケを出す時にも応用できます。
理論上相手の手札が9枚あればドローとあわせてオバケを出されうることになりますが、実際にはその程度の枚数でオバケが揃っている可能性はほぼ考えなくて良いと思います。
偶発的な状況であれば、相手のオバケは20枚前後ある時に警戒すれば良いでしょう。

さらっと偶発的な状況であればと書きましたが、相手が自分から4枚出しを仕掛けている場合は要注意です。
overKJQJを切り札に組んでいる可能性があるため、相手の手札が15枚くらいでもオバケを警戒して動くことをオススメします。

なお、相手の手札の枚数から自分のオバケが通るか考えるのは組み切りの最終段階*5を除いては危険です。
相手が4枚ラリーに付き合ってくるならオバケが通るかもしれませんが、実際には相手にオバケがなければまずカマトトされます。
カマトトで手札が増えれば当然オバケの危険性は高まるので、直前まで考えていたプランが崩壊する、というのはよくあることです。

さて、ここからいよいよ本題のカードカウンティングの考察を始めます!

Kのカウンティング

先ほどのオバケ表をご覧下さい。
緑字のオバケは相手のK*6が2枚以下の時、青字のオバケは相手のKの枚数が1枚以下の時には絶対に返すことができません。
最も分かりやすく基本的なカウンティング。緑字のオバケを切り札にする場合は場+山札+手札のKの枚数を数えるだけで切れることを確認できることも多いです。(自分がK+Xで4枚持っている場合、3枚持っていて相手が1枚使った場合など)

青字のオバケを使う場合もKのカウンティングは重要。緑字と違い、Kの枚数だけで絶対に返せないことを確認することは難しいですが、後述のキー札カウンティングを併用することによって手札の強さを判断することができます。
なお、オバケ表ではKKJJ・KKJKを青太字にしています。この2つは素因数にジョーカーを使っていない場合は相手にKが3枚以上ないと返せないという特徴を持っています。*7要するに緑字と同じように使える、ということですね。

3のカウンティング

ここからは、「自分のオバケより強いオバケ」の素因数に使う数(ここでは「キー札」と呼ぶことにします)のカウンティングを紹介します。
まずは3のカウンティングです。

オバケ表を見てもらえば分かるのですが、KKQT以上のオバケ(赤字・緑字のオバケ)には必ず3を1枚以上必要とします。
そこで、3の枚数を数えることで相手が赤字・緑字のオバケを作れるか確認することができます。
KKQJ・KKKK…場+山札+手札に3が2枚以上あれば出せない
KKQQ・KKQK・KKKJ・KKKQ…3が3枚以上あれば出せない
KKQT・KKKT…3が4枚以上あれば出せない
ほか、KKTJ・KKJJ・KKJQ*8などの判断にも使えます。特にKKTJは3が3枚見えれば出すことができません。

KKQT・KKKTの判断にはあまり役立ちませんが、3は他のオバケの重要なキー札となっているのでカウンティングにかなり有用です。
一つ注意点として、相手のKの枚数に余裕がある場合はジョーカーをキー札とカウントしなくてはならないということです。
例えば自分がKX・相手がKKKXを持っている時、山札に3が2枚流れたからKKQT(素因数に1枚3使用)を出せば返せない…ではなく、相手はXを3にしてKKQKを返すことができます。*9
この場合、確認するキー札の安全圏は+1と考えましょう。

2やAのカウンティングにも言えることですが、手札にキー札がある場合はなるべく温存しましょう。
キー札を使ってしまうと将来的に相手がカマトトで取りにくる場合があります。山札が1周すればカードカウンティングが崩れるのはどんなカウンティングでも同じなので注意が必要です。
山札に流れたキー札を回収するかはその時次第で、すぐ引かれそうなら全出しで回収しますが、下の方にある場合やラリーに付き合ってくれそうな相手なら山札にあることを良しとして普通に4枚出しすることもあります。

ちなみに、KKQJが赤字なのは自身の素因数だけで3と7を必要数使っているからです。
あまり意識する必要はありませんが、KKQJへのカウンターは3と7がキー札と言えます。

2のカウンティング

キー札として2も有用です。
赤字・緑字のオバケのうちKKQT・KKQQ・KKKT・KKKJ・KKKQが2を必要とします。
KKQT・KKQQ…2が2枚以上あれば出せない
KKKT・KKKQ…2が3枚以上あれば出せない
KKKJ…2が4枚以上あれば出せない
ほか、KKTJ・KKJQ・KKJKなどの判断にも使えます。特にKKJKは2が3枚見えれば出すことができません。

やはり注意点は、Kに余裕があればジョーカーをキー札とカウントしないといけないということです。例えばお互いにKKXと持っている時、山札・手札に3が3枚、2がKKJQ・手札に2枚あるからKKJQを出せば返せない…ではなく相手はXを2にしてKKQTを返すことができます。*10

上の例(失敗例ですが…)からも分かる通り、カウンティングは複数を併用して考えることが多いです。
言葉で聞くと難しく感じるかもしれませんが、実際にやってみると意外と慣れてきます。物は試しと覚えてみましょう!

Aのカウンティング

次にAのカウンティングを紹介しますが、KKQT以外の赤字・緑字のオバケの判断には役立ちません。KKQKはAを2枚使う形もありますが、Jを使って出すこともできるためあてになりません。
赤字・緑字に使えるカウンティングとしては他に7のカウンティングがあるのですが、2枚以上使うのはKKQJ・KKKTだけ*11なので汎用性が低く、覚える必要性が薄いです。
Aのカウンティングは相手のKが2枚の時に青字オバケの安全性を確認する、または強めの青字オバケを使う時に3・2のカウンティングと併用して使うのが基本になります。赤字・緑字のオバケしか知らない場合は使えないため、最初から覚える必要性はありません。

緑字と青字の中で大きめの形かつ特に有効なのがこの4つ。
KKJJ…Aが1枚以上あれば出せない
KKTJ・KKJQ・KKQT…Aが3枚以上あれば出せない
オバケはAを1枚は使う形が多いため、ほかにも多くのオバケに応用できます。
注意点として、相手にKが3枚ある場合、KKJQはA64K89とも出せること。この場合も確認するAの枚数を+1しなくてはなりません。
もちろん相手がKに余裕がある時はジョーカーをキー札としてカウントしなければいけないのも同じ。*12

ここまで4つのカウンティングを紹介しました。もちろん全ての札を数えることができれば良いのですが、現実には難しいのでまずは3・2・Aのカウンティングに慣れましょう!

返される可能性がある時は?

ここまでカウンティングによって自身のオバケが必ず流れるようになる状況を考察してきましたが、現実には見つけたオバケにカウンターされうる状況も存在します。
そういう時の対処方法をいくつか紹介します。

・強めの札を出して切り札請求をする
主に相手のKを減らすことを目的に行います。
相手にKを出させてから全出しや合成数カマトトで回収することによってオバケのカウンターに必要なKを剥がし、必ず流れるような状況を作るのが目的です。
相手がパスするとなんの意味もないこと、Kが出されても全出しで回収されると絵札を使った反動で逆に不利になることなどが欠点。
いきなり出すと怪しさ満点なので、自分から仕掛ける時は1回小さい素数を挟むのがオススメです。

・あえて別の枚数出しをする
4枚の場じゃないと出せないのに何を言ってるの?と思われるかもしれませんが、実は意外と有効です。
4枚出しをしたらまずオバケは警戒されますが、3枚・5枚等の枚数をみてoverKJQJを警戒するのは難しいので、ラリー中に相手がキー札を使ってくれることが多々あります。
相手がキー札を使ったタイミングで(オバケを阻害しない強めの札)→(オバケ)→(残り)で組み切り、相手がKを使わなければ上がれる状況を作るのが理想。そこまでできない場合はキー札を回収し、次のラリーで勝負に出ても良いでしょう。

・強引に通す
overKJQJに精通していない人を相手取る時や山札が1周していない時などに有効。返されうるオバケがわずかであれば、そのオバケが返ってこないことに賭けて勝負してしまうのもありです。
多枚出しが苦手な人相手にそこまで強くない多枚出しで勝負を挑むのと同じ感覚。出会い負けがない分多少はマシですが、返されたらほぼ負けであることは覚悟しましょう。

・相手の癖を逆手に取る
これもoverKJQJに精通していない人向け。そういう人は4枚出しを見たら早々にKJQJ等でラリーを切りにくる傾向にあります。自分からKを減らしてくれれば、逆に絶対に返せない状況に誘導することができます。
相手のプレイスタイルに大きく依存するのが欠点。逆にカマトトでオバケを揃えにくる人もいますが、成功すれば黒字や弱めの青字オバケでも通ることがあります。

・オバケ上がりを狙う
最終的に4枚出し→オバケで上がり切れる状況を作ります。不意討ち気味の動きになりますが、相手がより強いオバケを持っていても上がれてしまえば関係ありません。
枚数調整が難しく、使える機会が限られるのが難点。

・諦めて別の手を探す
残念なことですが、一番現実的な方法であることも多いです。切り札は強さを集中させるのが基本ですから、小さめなオバケではどうしても力不足なんですよね…。

最後に

overKJQJは色んな人が習得しすぎた結果廃れた、という不思議な経緯を持つ戦術です。
オバケをそれだけ多くの人が覚えている、というのはすごく嬉しいことである一方で、最近は実戦で見るのが少なくなっているのが寂しくて、そんな環境に一石を投じようとこの記事を執筆することにしました。
結果、長くて難しい記事となってしまいましたが、慣れれば意外とできるようになるのでぜひ習得してみて下さい!
overKJQJにはまだまだ無限の可能性があると思っているので、皆様にもっと使われることを期待しています!

最後に、明日はカステラさんの「全出しに関する考察」です。
私は初期手札を組み切るのが苦手なのですぐ全出ししてしまいますし、overKJQJを語る上でも全出しは外せませんから、明日の記事にはすごく期待しています!
皆様もお楽しみに!

*1:overKJQJが分からない方はhttps://hana3101382283.hatenablog.com/entry/2020/06/26/soujiroをご覧下さい。

*2:と書きましたが、パイオニアのOTTYさんとマニアの私以外にいるんでしょうか?

*3:KKQJを出す時に山札が切れていた場合、必ず43*3X5377と出しましょう。3X5377*43と出すと3を引かれてKKQQ、KKQK、KKKQが揃ってしまう可能性があります。 その他のオバケを出す場合も同様で、山札が切れている時はキー札を素因数場の先頭に持ってくるのは避けましょう。

*4:10枚はKJKT=2*5*KJKA、16枚はKQKQ=2*2*2*2*X*4A*73*A37|X=2

*5:要するにオバケを出すタイミング

*6:ジョーカーをKとしてカウントしています。

*7:KKJJはX=A・KKJKはX=2で使っていれば、相手のKが2枚でもKKQTを返される可能性があります。

*8:2*2*2やA64K89とも出せるため、2やKのカウンティングとの併用必須

*9:実話です。気を付けましょう。ちなみに7がKKQT・手札に1枚ずつあったからKKKTは返されなかった。

*10:これも実話です。気を付けましょう。

*11:KKKKも2枚使いますが、そもそもK4枚の時点で弾かれることが多いので使いません。

*12:実例がありませんでした。ですが気を付けましょう。