マリンの日記【素数大富豪】

最強の素数大富豪プレイヤーを目指す、ある競技素数大富豪プレイヤーの素数探索記。

overKKQKJ特集~5枚オバケの有用性~

こんにちは、マリンです!
この記事は素数大富豪アドベントカレンダー2020https://adventar.org/calendars/4987の24日目の記事です。昨日は3TKさんの「素数大富豪同好会のオンライン新歓をやってみた話」https://hana3101382283.hatenablog.com/entry/2020/12/23/komariでした。素数大富豪の布教が難しくなっている今、オンラインで素数大富豪の輪を広げていくのはとても大切なことだと思っています。

さて、今回の記事は「overKKQKJ」についてです!*1
20日の記事にも書いた通り、今や上位ではoverKJQJは常識と化しています。が、overKKQKJはあまり使われておらず、開拓の余地のある部分だと感じています。
というわけで、早速紹介していきます!

overKKQKJを覚えるメリット

overKJQJを覚える理由と大きくは変わりません。
参考→https://hana3101382283.hatenablog.com/entry/2020/06/26/soujiro
一つ大きな違いとして上げられるのは、overKKQKJは初手の5枚出しに合成数カマトトしてもまず揃いません。そもそもKKQKJに返せるoverKKQKJが5つしかない(後述)上、その5つに偏りのある形が目立つため当然といえば当然です。

簡単に箇条書きすると以下のようになります。
①相手のKKQKJに返せる
②1桁札を中心に手札を15枚以上減らせる
③ラリー回数を減らして組み切れる
②・③の点が大きいです。絵札の質*2では勝っても枚数で劣る時、普通にラリーしていると絵札が少ないことが徐々に響いてきますが、overKKQKJなら厳しくなる前に大きく枚数を減らせます。平均的なoverKJQJ(12~14枚)に比べ、使用枚数が多い(15~17枚)のもポイント。

実際overKKQKJなんて揃うの?

overKKQKJのメリットは分かって頂けたかと思いますが、この点には疑問を持つ方も多いと思います。
実際レパートリーが多いoverKJQJに比べ、実用性の高いoverKKQKJは限られます。が、ここで考えて頂きたいのは「私達はどういう時にoverKJQJを使っているのか」ということ。
HNP杯の頃は多種多様なoverKJQJが見られましたが、マスプライム杯・第2期蝉王戦のデータを見る限りでは使用されたoverKJQJの半数以上がKKKQです。多くの方が考察されていますが、これは二刀流の普及により後手が2手目のKJQJに返す機会が減少したこと・誰もが習得したことにより、相全出し後の打ち合いでは小さなoverKJQJが切り札として信用できないことが理由として上げられます。
この現状を鑑みると、比較対象はoverKJQJとするよりKKKQ(少なくともKKQT以上)とする方が現実に則していると言えます。overKKQKJは全てが切り札として信用度が高い(後述)ため、全て合わせればKKKQくらいには揃うのではないかと思います。
経験的にも十数試合に1度は使っていますし、覚えるに値するだけの実用性はあると考えています。

前置き(?)はここまでにして、次の章では具体的な形と覚える優先順位を考察します!

覚えたいoverKKQKJ

下の表をご覧下さい。
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(「overKJQJとカードカウンティング」の時とは色の意味が異なります。ご注意下さい。)
overKKQKJは絶対に出せないKKKKQを除いても全部で17個あり、overKJQJほどではなくてもこれだけあると覚え辛そうと思うかもしれません。ですが、実際のところ私は赤字しか覚えていません。
理由は単純で、赤字以外の形は最低でもKとジョーカーを合わせて4枚使います。一方でKとジョーカーは合わせて6枚しかないため、緑・水色・黄色はoverKKQKJでありながらKKQKJに返すことができません。
もちろん赤字以外も切り札として最強クラスであるため覚えても良いのですが、K4枚以上使用とコストが高く、おそらく使い辛いと思われます。*3
まずは赤字の5つを覚えましょう。緑は気が向いたら覚えるくらいで、水色・黄色は捨てて良いと思います。

赤字の5つで優先順位を付けるなら、同じ札4枚を使用するKKKJTとKKKQTは少し揃いにくい印象があります。また、使用する偶数の枚数からKKKTTは使いやすくKKKQJは使い辛い、ということも言えるでしょう。
ちなみに私が一番使っているのはKKQKQです。ただ、これは私が覚えている5枚出しの傾向に左右されている可能性が高いため、実際に使いやすいのかどうかは分かりません。*4

KKQKJの安全度

現在の素数大富豪環境ではoverKJQJの開発が進んだ結果、相全出し戦ではKJQJがまず切り札となり得なくなりました。では、KKQKJだとどうでしょうか。
結論から話します。「KKQKJは強い」です。*5赤字のoverKKQKJは少ない上に偏っている形が多く、毎回のように揃うわけではないからです。
とはいえ、KKQKJをoverKKQKJで返される可能性もないわけではありません。*6そこで、この章ではKKQKJの安全度の測り方を紹介します。

①Kのカウンティング
場・山札・手札にKが4枚以上あれば絶対に返すことができません。
以下のカウンティングはKの枚数がギリギリの時に使いましょう。

②Aのカウンティング
表から分かる通り、赤字のoverKKQKJは最低1枚Aを使います。よって、Aの枚数を数えることで安全度を測ることができます。
特にKKKQTやKKQKQ・KKKTTに有効。前者は1枚・後者は2枚あれば返すことができません。

③3のカウンティング
Aのカウンティングが通じ辛いKKKJTに使えるカウンティング。3が1枚あれば返すことができません。
KKKQTにも比較的有効で、こちらは3が2枚あれば返すことができません。

④7のカウンティング
特にKKKQJに有効なカウンティング。7が2枚あれば返すことができません。

当然ですが、(Kのカウンティングを除いて)これらの条件を満たしていてもKKQKJを先行される可能性はありますのでご注意下さい。

なお、overKKQKJの安全度はほとんど気にする必要がありません。KKQKQ・KKKJT・KKKQT・KKKQJは揃っている時点で絶対に返すことができません。
KKKTTにKKKJTを返すことは理論上可能ですが、その場合K・Xに加えてA・3・5・7を全て使い切ります。そのため、これらの札が1枚でも余分に場・山札・手札にあれば返すことはできません。

2020年の素数大富豪と2021年の展望・目標

いつもなら「最後に」のタイトルで締めるところですが、今回は少し趣向を変えてみます。overKKQKJの話はほとんどしない(というよりほぼ自分語りです)ので興味がなければここでブラウザバックしてください。

あまり過去を知らない私が語って良いことではないような気もしますが、2020年は激動の年であったように思います。相全出し環境への移行、overKJQJの流行と低迷、多枚出しラリーの発展と超多枚出しを操るプレイヤーの出現…コロナで素数大富豪の場が減っているにも関わらず、素数大富豪は変わらず進化を続けています。
そんな中、over系研究に関しては私も発展の一端を担えたのではないかと自負しています。私は合成数出しが好きなので、来年以降はover系に限らず、様々な合成数研究を進めて行きたいと思っております。(もちろん素数研究も)

来年の目標ですが、大きく分けて3つでしょうか。
1つ目は個性の再構築。アドベントカレンダーでoverKJQJの安全度の測り方やoverKKQKJの紹介をさせて頂きましたが、これらは「私の数少ない強味」であると同時に「習得が比較的簡単な戦術」でもあり*7、記事を公開してしまった以上、一気に没個性化するのではないかと危惧しています。具体的にどうするか…1つ考えていることはあるのですが、今はまだ伏せておきます。
2つ目は上位入賞。今年は数少ない新規プレイヤーということで注目されてきた気がしますが、来年以降は経験者の一角としか見られないでしょうから何か結果を残したいところです。まずは雪華流星戦を頑張ります。
3つ目、これは私の目標というより素数大富豪界全体の課題だと思っているのですが、素数大富豪はここ数年で劇的な変化を遂げています。結果、今の環境への新規参入は非常に難しいのではないかと考えています。*8ですから何か新規参入をしやすくする取り組みができないかな?と思っています。このアドベントカレンダーの記事の中ではOTTYさんの「初心者と対戦する時に気をつけていること、気をつけたいこと」https://otty8121013.hatenadiary.jp/entry/2020/12/03/020703 (布教する側向け)や、カステラさんの「『全出し』との付き合い方」
https://graws188390.hatenablog.com/entry/2020/12/21/192411 (素数大富豪に慣れてきた人向け)などが参考になるでしょう。
もちろん難しい話ですし、具体的な見通しは立っていません。皆さんと一緒に考えていけたらな、と思っています。

さて、素数大富豪アドベントカレンダー2020もいよいよ明日が最後です!
ラストを飾るのは二世さんの記事です。「今年の記事をまとめるか来年の抱負を語る」とありましたがどんな記事になるのでしょうか?楽しみですね!

*1:マスプライム杯予戦会の配信終了後、冗談半分で「来年はoverKKQKJを持ってくる」と宣言しました。その後、興味本位で調べたら意外と有用そうだったので本当に覚えることになりました。

*2:KやXの枚数

*3:調べただけで覚えてないため断言はできませんが…。

*4:私が覚えている5枚出しは8の使用頻度が高めで、8を使うKKKTT・KKKQJは少し使い勝手が悪く感じます。KKKJTやKKKQTは単に使用札が偏っていて揃いにくい。

*5:元ネタは「KJQJは弱い?」。当時素数大富豪を知らなかった私はこの講演を聞いていないのですが…

*6:実際に、KKQKJで組んだ相手に過去3回ほど返したことがあります。

*7:十数枚出しをいくつも覚えるよりは遥かに楽な一方で、揃った時のコスパがかなり高い戦術です。

*8:おそらく最新規の私がそう感じたので間違いないです。せっかくのアドカレですし私こういうこと書くべきだったのでは?